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歯を早く動かしすぎると「歯の根っこ」が溶けてなくなる?矯正治療と歯根吸収の関係

2026年5月17日 (日)

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こんにちは、ホワイトエッセンスわかやま歯科です。

矯正の調整日に「もっとギュッと締めてもらったほうが早く終わるのでは?」と感じたことはありませんか?
実は、それは大きな誤解です。矯正の力が過剰になると、骨ではなく根っこ自体が少しずつ削れてしまう「歯根吸収(しこんきゅうしゅう)」と呼ばれる状態になることがあるのです。

「そんなことが本当に起きるの?」と驚かれる方も多いのですが、これは矯正医が治療計画を立てるうえで最も注意を払うリスクのひとつです。今回は、なぜこうなるのか・どんな条件でリスクが高まるのか・歯科医院選びのポイントまで、なるべく平易にお伝えします。

根っこが削れていく?歯根吸収のしくみを知ろう

装置から力を受けた歯は、顎の骨がじわじわと再構成されながら少しずつ新しい位置へ移動します。

問題が起きるのは、この「骨が変化するスピード」を超えた力がかかったとき。その過程で根っこを守る薄い層(セメント質)にも過度な負担がかかり、根の先端がじわじわと削れてしまうのが歯根吸収です。

痛みや自覚症状はほとんどなく、治療後のレントゲンで「あ、少し短くなっていますね」と初めてわかるケースが大半です。
軽微なものであれば日常生活への影響は小さいとされますが、複数の研究データをまとめた分析によると、矯正を受けた歯のうち約1〜5%に4mm以上または根の長さの3分の1以上を失う重度の吸収が起こりうると報告されています。歯を支える力の余裕が少なくなり、将来的に歯周病などが重なった場合の安定性に影響することがあります。

歯根吸収

強い力がなぜ根っこを削るのか——メカニズムをやさしく解説

歯の根っこの先(根尖部)には、力のクッションになる「歯根膜」という薄い繊維の層があります。力が適切な範囲内であれば歯根膜がバッファーとして機能し、周囲の骨が優先的に吸収・再生されるため、根っこへの直接的な影響は小さく抑えられます。

ところが力が大きくなると、歯根膜のクッションが潰れ、根の表面を守るセメント質への圧力が一気に高まります。すると、本来は骨を壊す役割の細胞が「ここも壊していい部分だ」と誤認識してセメント質まで攻撃し、根っこが溶けていくのです。

複数の臨床研究では、約225gの重い力をかけたグループと約25gの軽い力のグループを比較した場合、重い力をかけたグループでは、軽い力のグループに比べて歯根吸収が明らかに多く認められたと報告されています。「少しだけ強めに」のつもりでも、根っこへのダメージは想像以上に大きくなりうるのです。

歯の断面

こんな条件が重なるとリスクが高くなる

歯根吸収のリスクは、力の大きさだけで決まるわけではありません。下記のような要素が複合的に影響します。

治療の「期間の長さ」が重症度を左右する

研究者の中には、力の強さよりも治療期間の長さのほうが歯根吸収の深刻度に大きく関わると指摘する声があります。装置をつけている期間が延びるにつれて、根っこへの影響が少しずつ蓄積されていくためです。無理に治療を急ぐと、結果的に根っこへの負担が増えるという皮肉なことが起きます。

「歯を沈める」動きと「出っ歯を引き込む」動き

歯を歯ぐき側へ押し込む方向(圧下)は特に注意が必要な動きとされています。また、上の前歯を大きく後退させる動き——たとえば出っ歯の改善——も、移動距離が増えるほどリスクが積み上がります。

根っこの「形」で溶けやすさが違う

先端が細くスポイト状に尖った形の根、もともと短い根や細い根は吸収されやすい傾向があります。反対に、先が丸く太い根は比較的影響を受けにくいとされています。治療前のレントゲンで自分の根の形を確認しておくことが、リスク把握の第一歩です。

抜歯矯正は移動距離が長くなる

抜歯ありの矯正は、歯が移動しなければならない幅が大きくなります。その分、根っこへの負担が積み重なりやすく、歯根吸収が生じやすいとする報告があります。

固定式とマウスピース、装置の違い

ワイヤーを歯に固定するブラケット矯正は、取り外しができるマウスピース矯正よりも歯根吸収が多く生じやすいとする研究があります。ただしマウスピース矯正も無縁ではなく、軽い力を使う装置との比較では差が小さい場合もあると報告されています。装置の種類だけでなく、どのような力の設計で動かすかが重要です。

歯の動きによる歯根吸収の差

「お休み期間」を挟むと根っこは修復される?

一度短くなった根っこが元の長さに戻ることはありません。ただし、「完全回復ではないが修復は起きる」という点は知っておいてほしいことです。

矯正の途中でワイヤーやマウスピースの交換をしばらく止める「休止期間」を意図的に設けると、傷ついたセメント質を修復しようとする細胞が活発に動き始めます。治療開始から半年の段階で歯根吸収が見つかった患者さんを対象にした研究では、そのまま続けたグループよりも休止を挟んだグループのほうが、その後の吸収量が明らかに抑えられたという結果が出ています。

さらに注意が必要なのは、歯根吸収が進んでいる歯に改めて力をかけると、最初の治療よりも速いスピードで根が溶け進む可能性があるとも指摘されている点です。こまめな画像検査で根の変化をモニタリングしながら、状況次第で進め方を見直してくれる歯科医院を探すことが、歯を長く健康に使い続けるうえで大きな意味を持ちます。

歯のバカンス

根っこへの負担を減らす——患者さんにできる3つのこと

歯根吸収を完全に防ぐことは難しいですが、患者さん側の行動でも被害を抑えるための選択はできます。

副作用まで話してくれる医院かどうかを見極める

「この部分は少し慎重に進めましょう」と踏み込んだ説明ができる医師は、治療中の変化にも目を配る傾向があります。メリットだけを前面に出す案内よりも、起こりうるリスクを包み隠さず伝えてくれる姿勢があるかどうかが、医院選びの重要な判断軸になります。

治療前のレントゲンで根の形を把握する

パノラマX線や歯科用CT撮影で、ご自身の根の長さや形を最初に把握しておくことが大切です。どんな形状かが事前にわかると、それに合った安全な力加減で計画を組むことができます。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース矯正では、決められた装着時間を守らないと計画外のタイミングで大きな力がかかることがあります。「少しくらい短くても大丈夫」という積み重ねが、思わぬリスクを生むこともあるため、担当医の指示をしっかり守ることが安全な治療の土台になります。

まとめ——「丁寧に、焦らず」が根っこを守る

歯根吸収は、矯正治療で一定頻度みられる副作用ですが、力の使い方や経過観察によってリスクを抑えることができます。今回の内容を整理すると、以下のポイントが重要です。

  • 強すぎる力は、軽い力に比べて歯根吸収を大きく増やす可能性がある
  • 治療が長引くほど累積ダメージが増えるため、「急いで終わらせる」は逆効果
  • 根の形・動かす方向・抜歯の有無でリスクは大きく変わる
  • 休止期間を挟むと根の修復が進みやすく、その後の吸収を抑えられる可能性がある
  • 定期的なレントゲンで根の状態を確認しながら進める医院を選ぶことが大切

「自分の根っこはどんな形?」「歯根吸収のリスクについてもっと聞きたい」という方は、どうぞ遠慮なく当院へお声がけください。無料矯正相談で、あなたのお口に合った安心できる治療計画をご提案します。

和歌山で矯正治療をお考えの方はご相談ください

ホワイトエッセンスわかやま歯科は、歯根吸収をはじめとする副作用リスクについても治療前に丁寧にご説明する方針です。
無料矯正相談ではレントゲン撮影もおこない、あなたの根っこの形や骨の状態を確認したうえで、安全な治療ペースをご提案いたします。和歌山でじっくり相談できる矯正歯科をお探しの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。


和歌山でマウスピース矯正をお探しなら当院へ

3種のマウスピース矯正

当院は、マウスピース矯正「インビザライン」の治療実績が豊富な歯科医院に贈られる「ブルーダイヤモンドプロバイダー」に3年連続で認定されています。
インビザラインだけでなく、「Smartee(スマーティー)」「イーラインスマイル」といった複数のマウスピース矯正システムを導入しており、部分矯正から全顎矯正、外科矯正が必要とされるような難症例まで、患者様のニーズに合わせた多様な選択肢をご提案できるのが強みです。

また、抜歯を極力避け、顎の位置を改善することで顔立ちにもアプローチする先進的なマウスピース矯正「SmarteeGS」も導入しております。
矯正治療と並行して、歯を白くするホワイトニング(ホワイトエッセンス)もご提供可能です。お子様の歯並びから、ご自身の歯のお悩みまで、お気軽にご相談ください。

無料矯正相談の流れ

参考文献

  • 1. Gupta V, Dhaliwal YS, Dhaliwal A. Root resorption associated with orthodontic tooth movement: a review. Dent J Adv Stud. 2016;4(1):8-14.
  • 2. Roscoe MG, Meira JBC, Cattaneo PM. Association of orthodontic force system and root resorption: a systematic review. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2015;147(5):610-26.

※本記事は情報提供を目的としており、診断・治療の代わりとなるものではありません。症状やお悩みの詳細については、お近くの歯科・医療機関にご相談ください。

医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項

■SmarteeGS矯正(スマーティージーエス) ■インビザライン矯正 【治療内容】 カスタムメイドで制作されたマウスピースを定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて歯並びを整えていく矯正治療です。 【標準的な費用(自費)】 矯正治療費 相談・検査・診断料 無料 調整料 無料 SmateeGS(スマーティージーエスマウスピース矯正)1,430,000円(税込) インビザライン(マウスピース矯正)264,000円~899,800円(税込) 【治療期間及び回数】 症状や治療方法によりますが、一般的に2年前後の治療期間となる方が多いです。通院回数は2〜3ヶ月に1回です。 【副作用・リスク】 ・マウスピースの装着時間が少ないと治療期間が長引く可能性があります。 ・他の矯正治療法と同様に、疼痛・歯根吸収・歯肉退縮の可能性や適切な保定をしないと治療後に後戻りすることがあります。 【医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項】 ・薬機法上の承認/認証(以下「薬事承認等」という。)を得ていない医療機器、医薬品であること 当院で扱うマウスピース型矯正装置(Smartee GS)は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)において承認されていない医療機器になります。 ・当該医療機器又は医薬品の入手経路 当院で扱うマウスピース型矯正装置(Smartee GS)は、中国にあるShanghai Smartee Denti-Technology Co., Ltd.から個人輸入により入手しております。 ・当該医療機器又は医薬品と同一の性能又は同一の成分の他の医療機器又は医薬品で薬事承認等を得ているものの有無 マウスピース型矯正装置はSmartee GSの他に様々な種類があり、その中には国内で薬事承認されているマウスピース型矯正装置もございます。 ・当該医療機器又は医薬品の諸外国における安全性等に係る情報 マウスピース型矯正装置(Smartee GS)は中国において医療機器承認を取得している医療機器になります。Smarteeのマウスピース型矯正装置は世界47カ国以上で、これまでに1,000,000人を超える症例数がある治療です。(うちSmartee GSは83,000人、2024年12月時点)マウスピース型矯正装置(Smartee GS)の使用により指摘される具体的なリスクは歯根吸収、歯肉退縮、装置の紛失・破損、不快感、咬合不調和、虫歯や歯周病のリスク、アレルギー反応、発音障害、治療延長、顎関節症の悪化となります。 ・当該医療機器又は医薬品を用いた治療には医薬品副作用被害救済制度の対象とならないこと マウスピース型矯正装置(Smartee GS) の使用により万が一重篤な副作用が生じた場合には、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 【医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項】 ・インビザライン完成物は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。尚、インビザラインの材料自体は、日本の薬事認証を得ています。

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