歯周病治療の最前線「ブルーラジカル」とは?歯のクリーニングを受ける前に知っておきたいこと
こんにちは。和歌山市のホワイトエッセンスわかやま歯科です。
「歯茎から血が出る」「歯がグラグラする」——そんな歯周病の症状にお悩みではありませんか?
歯周病は日本人の成人の約8割が罹患していると言われる国民病です。放置すると歯を失うだけでなく、糖尿病や心疾患などの全身疾患にも影響を及ぼすことが分かっています。
今日は、歯周病治療の世界で注目を集めている最新技術「ブルーラジカル」についてご紹介するとともに、効果的な予防ケアについてお話しします。
歯周病治療の課題:従来の方法では限界がある
まず、従来の歯周病治療について整理しましょう。
歯周病の基本治療は「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」と呼ばれる処置です。これは、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)の奥深くに付着した歯石や細菌の塊(バイオフィルム)を、専用の器具で物理的に取り除く方法です。

しかし、この従来の方法には限界があります。
物理的除去の限界
- 深い歯周ポケットへの到達困難:ポケットが6mm以上深くなると、器具が届きにくく完全な除去が難しい
- 複雑な形態への対応:歯の根の股部分や複雑な形状の部位は、どうしても取り残しが発生
- 術者の技術依存:施術者の熟練度によって結果に差が出る
抗菌薬の課題
物理的除去を補うため、抗菌薬を併用することもありますが、以下のような課題があります。
- 薬剤耐性菌(AMR)の問題:抗生物質の使い過ぎは耐性菌を生む原因に
- バイオフィルムへの浸透性が低い:細菌の膜に阻まれ、効果が限定的
- 全身への影響:内服薬の場合、胃腸障害などの副作用リスク
こうした課題を抱える中、新しい治療法の開発が求められてきました。
画期的な新技術「ブルーラジカル」とは
東北大学が開発した世界初の技術
2017年、東北大学の研究チームが、歯周病治療における革新的な技術を発表しました。それが「ブルーラジカル」です。
この技術は、約17年の研究開発を経て実用化され、厚生労働省から「新規性が高く、従来の医療機器と明らかに異なる」として承認を受けた画期的な治療機器です。※承認番号: 30500BZX00165000

仕組み:光と化学の力で細菌を撃退
ブルーラジカルの仕組みは以下の通りです。
- 過酸化水素水を使用:消毒薬として古くから使われている3%過酸化水素水(オキシドール)を準備
- 青色レーザーを照射:405nmという特定波長の青色レーザー光を当てる
- ヒドロキシルラジカルが発生:光のエネルギーで過酸化水素が分解され、最強の殺菌力を持つ「ヒドロキシルラジカル」という物質が生まれる
- 細菌を瞬時に破壊:このラジカルが細菌の細胞膜やDNAを破壊し、死滅させる
従来のレーザー治療との違い
「レーザー治療なら他でも聞いたことがある」と思われるかもしれません。しかし、ブルーラジカルは従来のレーザー治療とは根本的に異なります。
| 従来のレーザー治療 | ブルーラジカル |
|---|---|
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また、「光線力学療法(PDT)」という別の光治療もありますが、これは酸素が必要な反応です。歯周ポケットの深部は酸素が少ない環境のため、効果が限定的になります。
一方、ブルーラジカルは酸素の有無に関わらず作用するため、深いポケットでも効果を発揮できるのです。
科学的根拠:信頼できる研究結果
医療において最も重要なのは「本当に効くのか?」という科学的証明です。
権威ある学術誌に掲載されたランダム化比較試験
2017年、東北大学の菅野太郎教授らの研究チームが、ブルーラジカルの効果を検証した臨床試験の結果を、国際的な科学誌「Scientific Reports」に発表しました。
この研究は、医学的に信頼性の高い「ランダム化比較試験(RCT)」という方法で行われました。
研究の内容
- 対象:中等度〜重度の歯周病患者
- 3つのグループに分けて比較
- グループ1:通常治療+ブルーラジカル
- グループ2:通常治療+抗菌薬(従来の標準治療)
- グループ3:通常治療のみ
- 観察期間:12週間
驚くべき結果
結果は明確でした。
- 歯周ポケットの改善:ブルーラジカル併用群は、通常治療のみの群と比較して統計的に有意な改善を示した
- 抗菌薬と同等以上の効果:抗菌薬を使った群と同等、場合によってはそれ以上の効果
- 歯周病菌の減少:特に悪玉菌の代表格「ポルフィロモナス・ジンジバリス」の菌数が大幅減少
- 炎症の改善:歯茎の出血や腫れも有意に改善
最も重要なのは、抗菌薬を使わずに、抗菌薬使用と同等の結果が得られたという点です。これは薬剤耐性菌問題の観点から、非常に大きな意義があります。
安全性も確認済み
動物実験では、口腔粘膜への刺激性試験が行われ、重篤な副作用は認められませんでした。
人の細胞は細菌よりも酸化ストレスへの防御能力が高いため、細菌を死滅させる濃度でも、正常な組織にはダメージを与えにくいことが分かっています。
ご注意
ただし、以下の方は使用できません
- 無カタラーゼ症の方
- 心臓ペースメーカー使用中の方
- 光過敏症の方
- 妊娠中の方
ブルーラジカルの実際:どんな治療なのか
治療の流れ
- 専用の3%過酸化水素水を準備
- 保護メガネを装着(術者・患者様とも)
- 超音波振動+レーザー照射で歯周ポケットを処置
- 1歯あたり数分程度の施術
費用について
現在、ブルーラジカルは保険適用外の自由診療です。
- 1歯あたり:約11,000円〜15,000円程度
- 全顎治療:数十万円
※一般的な費用目安
決してお手頃な価格ではありませんが、「将来の抜歯を避けたい」「外科手術は避けたい」という方にとっては、選択肢の一つになるのではないかと思います。
導入状況
東北大学をはじめ、全国の一部の歯科医院で導入が進んでいますが、まだ一般的とは言えない状況です。
和歌山で受けられる効果的な歯周病ケア
ホワイトエッセンスわかやま歯科では、現時点でブルーラジカルは導入しておりません。
しかし、歯周病予防において最も重要なのは、最新機器よりも「定期的なプロフェッショナルケア」です。

ホワイトエッセンスのクリーニングが効果的な理由
当院で提供している「ホワイトエッセンス」のクリーニングメニューには、歯周病予防に特化したプログラムがあります。
1. 徹底的なバイオフィルム除去
- 専用器具による丁寧なスケーリング
- 歯の表面を滑らかに研磨し、再付着を防止
2. 個別化されたケアプラン
- お口の状態を詳しく検査
- リスク部位を特定し、重点的にケア
- ホームケアの指導も充実
3. 定期的なメンテナンス
- 定期的なクリーニング推奨
- 初期段階での介入で重症化を防止
- プロの目でお口の変化をチェック
4. 快適な施術環境
- リラックスできる空間
- 痛みに配慮した施術
- 施術後の爽快感
歯周病予防は「早期発見・早期介入」が鍵
ブルーラジカルのような最新治療が必要になるのは、中度~重度の歯周病が進行した段階です。
しかし、定期的なクリーニングを受けていれば、そこまで進行させずに済むケースがほとんどなのです。
実際、歯周病は以下のような特徴があります。
- 初期段階では自覚症状がほとんどない
- 気づいた時にはかなり進行していることが多い
- 一度失った歯槽骨(歯を支える骨)は元に戻らない
だからこそ、症状が出る前からの予防ケアが極めて重要なのです。

和歌山で歯周病予防をお考えの方へ
ホワイトエッセンスわかやま歯科では、以下のことに力を入れています。
- ✅ 歯周病の早期発見に力を入れています
- ✅ 痛みの少ない丁寧なクリーニング
- ✅ 歯科医師のチェック、歯科衛生士による専門的なケア
- ✅ お一人おひとりに合わせた予防プログラム
- ✅ ホワイトエッセンスの高品質なケアメニュー
「最近、歯茎から血が出る」「歯周病が心配」「しっかりクリーニングしてほしい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:最新技術と日常ケアの両輪で歯を守る
ブルーラジカルは、歯周病治療における画期的な技術です。薬剤耐性菌の問題を回避しながら、深い歯周ポケットの細菌を効果的に除去できる可能性を秘めています。
しかし、どんなに優れた治療法も、予防に勝るものはありません。
歯周病は、適切なケアで予防・管理できる疾患です。
和歌山市イオンモール和歌山内にあるホワイトエッセンスわかやま歯科では、最新の知見に基づいた予防プログラムと、質の高いクリーニングで、皆さまの大切な歯を守るお手伝いをしています。
「いつまでも自分の歯で食事を楽しみたい」その願いを、私たちと一緒に叶えましょう。

■歯のクリーニング
- 内容:歯石取り(スケーリング)、フロッシング、PMTC、舌クリーニングなど
- 費用(自費):9,900円~13,200円(税込)
- 期間、回数:通常1日、1回(内容により異なります)
- 副作用・リスク:知覚過敏の方は、刺激を感じる場合があります。
参考論文
- Kanno T, Nakamura K, Ishiyama K, Yamada Y, Shirato M, Niwano Y, et al. Adjunctive antimicrobial chemotherapy based on hydrogen peroxide photolysis for non-surgical treatment of moderate to severe periodontitis: a randomized controlled trial. Sci Rep. 2017 Sep 25;7(1):12247.
- Odor AA, Bechir ES, Forna DA. Effect of Hydrogen Peroxide Photoactivated Decontamination Using 940 nm Diode Laser in Periodontal Treatment: A Pilot Study. Photobiomodulation, Photomedicine, and Laser Surgery. 2020;38(10):615-622.
- Shirato M, Nakamura K, Tenkumo T, Kano Y, et al. Oral mucosal irritation potential of antimicrobial chemotherapy involving hydrogen peroxide photolysis with high-power laser irradiation for the treatment of periodontitis. J Photochem Photobiol B. 2019;201:111633.
2026年1月24日 (土)
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