Ⅰ期治療、Ⅱ期治療の違いを知ろう!お子さまの歯並びを守るための矯正ガイド
子どもの歯並びが気になったことはありませんか?矯正治療には「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」という2つの段階があり、それぞれに目的と役割があります。
この記事では、Ⅰ期治療とⅡ期治療の違い、治療に使われる装置、治療を始めるタイミングについて詳しく解説します。お子さまの健康な歯並びを守るために、ぜひ参考にしてください。
Ⅰ期治療とは?
Ⅰ期治療の目的
- 対象年齢:5〜11歳(乳歯と永久歯が混在する時期)※個人差があります。
- 目的:顎の成長をコントロールし、歯が正しく並ぶスペースを確保 噛み合わせの不正(受け口・出っ歯・交叉咬合など)の早期改善 将来的なⅡ期治療の負担を軽減し、抜歯のリスクを下げるという目的があります。
Ⅰ期治療に使用される矯正装置
Ⅰ期治療では、子どもの成長を活かして歯並びを整えるために、さまざまな装置が使用されます、以下はその一例です。

概要
拡大床(プレート)は、顎の成長を促し歯列の幅を広げるための取り外し可能な矯正装置。主に子どもの成長期に使用され、歯が重なり合う「叢生(そうせい)」の予防や、永久歯が適切に並ぶスペースを確保することを目的としています。
特徴
装置の中央にあるネジを定期的に調整し、少しずつ顎の幅を広げる仕組みです。取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすく衛生的です装着時間の管理が必要で、継続的な使用が治療成功のカギとなります。
メリット
顎の成長を利用し、非抜歯で歯並びを整える可能性が高まると言われています。取り外し可能で、お手入れが簡単です。矯正治療の痛みが少なく、負担を軽減できます。将来的な本格的な矯正治療をスムーズに進める準備ができ、価格が固定式の矯正装置に比べて比較的安価な場合があります。

概要
急速拡大装置(RPE:Rapid Palatal Expander)は、上顎の成長を促し、顎の幅を短期間で広げるために使用される固定式の矯正装置。特に上顎の狭窄(狭い歯列)や交叉咬合(クロスバイト)の改善に有効で、成長期の子どもに適用されることが多いです。
特徴
上顎の左右の奥歯に装着し、中央のネジを一定間隔で回すことで、徐々に上顎骨を拡大します。固定式のため、患者様の協力に依存せず効果を持続できます。数週間から数ヶ月の短期間で効果が現れ、その後は保定期間が必要。拡大床と比べると痛みが少し出やすいです。
メリット
上顎の幅を効率的に広げ、将来的な歯並びのスペース確保が可能です、クロスバイトや歯列のズレを改善し、正しい咬合関係を形成します。非抜歯矯正の選択肢を広げることが期待できます。短期間で効果が得られるため、成長期のタイミングを最大限に活用可能です。呼吸機能の改善が期待でき、口呼吸の改善や睡眠時無呼吸症候群のリスク低減にもつながります。

概要
プレオルソは、子どもの歯並びや噛み合わせの改善を目的としたマウスピース型の矯正装置です。 主に乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に使用され、口腔周囲筋のバランスを整えながら、正しい顎の成長をサポートします。
特徴
軟らかいシリコン素材で作られており、子どもでも装着しやすく、痛みが少ないと言われています。上下の歯を適切な位置に誘導し、舌の正しい位置を習慣づけるものです。日中の短時間と就寝時の装着が推奨され、生活習慣に取り入れやすいのも特徴です。
メリット
取り外し可能で、お手入れが簡単。歯並びだけでなく、口呼吸や舌の癖などの悪習慣も改善可能です。将来的な本格的な矯正治療の必要性を減らすことができます。金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がないです。

概要
ヘッドギアは、主に上顎の成長をコントロールし、歯や顎の位置を適切に誘導するために使用される矯正装置です。特に上顎前突(出っ歯)や上顎の過成長を抑える目的で用いられ、成長期の子どもに効果的と言えます。上顎の過度な成長を抑え、正しい噛み合わせを促進します。
特徴
装置は、頭部や首に装着するストラップと、口腔内の固定装置(バンドやチューブ)で構成される。一定の力をかけることで、上顎の成長を抑制または誘導し、下顎との調和を図ります。装着時間は1日12~14時間が推奨され、就寝時に使用することが一般的です。固定式ではないため、患者様の協力が治療効果に大きく影響すると言われます。
メリット
上顎の過度な前方成長を抑え、適切な噛み合わせの形成を促進します。外科矯正を避けるための予防的治療として効果的です。下顎の成長を補助し、顔全体のバランスを整えます。非抜歯治療の可能性を高め、将来的な矯正治療をスムーズに進めます。取り外し可能なため、比較的食事や歯磨きの際に不便を感じにくいと言われています。

概要
バイオネーターは、下顎の成長を促進し、上顎とのバランスを整えるために使用される機能的矯正装置です。 主に成長期の子どもに適用され、不正咬合の改善を目的としています。
特徴
取り外し可能な装置で、上下の歯に適切な位置関係をもたらすためのガイドとして機能します。 下顎を前方に誘導し、筋肉や顎の成長を利用して矯正効果を発揮します。 装着時間を守ることで、効果的な治療が可能です。
メリット
自然な成長を利用しながら、下顎の位置を適切に誘導できます4。 非侵襲的な治療方法で、手術の必要性を減少させる可能性があります。 噛み合わせの改善により、発音や咀嚼機能の向上が期待できます。

概要
ツインブロックは、上下の顎に分かれた取り外し可能な矯正装置で、上顎前突(出っ歯)の治療に使用します。下顎を前方に誘導し、顎の成長をコントロールする目的で装着されます。
特徴
上下の歯列にフィットし、下顎の適切な位置への移動を促進。食事や歯磨き時に取り外し可能で、衛生管理がしやすいです。持続的に装着することで、効果的な顎の成長誘導が可能です。
メリット
自然な顎の成長を促し、顔貌のバランスを整えます。取り外しができるため、日常生活に支障が少なく。固定式矯正装置よりも快適で、患者様の負担が少ないと言われています。

概要
上顎牽引装置は、上顎の成長を促進するために使用される矯正装置です。反対咬合(受け口)や上顎の成長不足が見られる患者様に適用されます。
特徴
主にヘッドギアやフェイシャルマスクといった装置を使用し、上顎に前方および下方への力をかけます。骨の成長が活発な成長期の子どもに効果的です、装着時間の管理が重要で、通常、就寝時を中心に使用します。
メリット
外科手術を回避し、成長を利用した自然な矯正が可能。顔のバランスを整え、正しい咬合を獲得できます。早期治療により、将来的な矯正治療の負担軽減につながります。
Ⅱ期治療とは?
Ⅱ期治療の目的
- 対象年齢:10歳以降(永久歯が生えそろった後)
- 目的:
- 永久歯の歯並びと噛み合わせの最終的な仕上げ
- 機能的・審美的な改善
Ⅱ期治療で使用される装置

1枚1枚形の違う透明なマウスピースを交換していくことで歯を少しずつ動かします。

金属またはセラミックのブラケットを歯に装着し、金属のワイヤーを通して歯を動かしていきます。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の違い
治療の特徴を以下の表にまとめました。
項目 |
Ⅰ期治療 |
Ⅱ期治療 |
対象年齢 |
5〜11歳 |
10歳以降 |
目的 |
顎の成長誘導、歯並びスペース確保 |
歯並びと噛み合わせの仕上げ |
装置の種類 |
拡大床、プレオルソ、(ヘッドギア)など |
マウスピース矯正、ワイヤー矯正 |
治療期間 |
1〜2年程度 |
2〜3年程度 |
メリット |
自然な成長を活かせる |
精密な仕上がりが可能 |
Ⅰ期治療からⅡ期治療に進む理由
Ⅰ期治療を受けたとしても、全ての歯並びの問題が解決するわけではありません。
特に、顎の成長が予想通りに進まなかったり、永久歯の生え方に問題があったりする場合は、Ⅱ期治療でさらなる調整が必要になります。
Ⅰ期治療を行うことで、Ⅱ期治療の期間や複雑さを軽減できるため、成長段階に合わせた適切な対応が重要です。
また、Ⅰ期治療を行うことで顎の成長をコントロールし、永久歯が適切に並ぶスペースを確保できるため、抜歯のリスクを減らすことができます。
特に顎が小さく歯が大きいお子さまの場合、Ⅰ期治療を適切に実施することで、将来的により健康的な歯並びへと導くことができます。
Ⅰ期治療が必要かセルフチェック
以下のポイントに当てはまる場合、Ⅰ期治療を検討することをおすすめします。
- 受け口や出っ歯が目立つ
- 永久歯が後ろから生えてきた
- 歯が重なって生えている(叢生)
- 口呼吸が多い
- 発音が不明瞭
- 頬杖をついている
Ⅰ期治療とⅡ期治療の費用比較
Ⅰ期治療は予防的な目的があるため、Ⅱ期治療と比較して費用を抑えられるケースが多いと言われます。
一般的な治療費の目安:
よくある質問(FAQ)
Q1:Ⅰ期治療だけで終わることはありますか?
A:症状によってはⅠ期治療のみで十分なケースもありますが、多くの場合、Ⅱ期治療が必要になります。
Q2:治療は痛いですか?
A:Ⅰ期治療は比較的軽度な矯正であるため、痛みは少なく、すぐに慣れることが多いです。
Q3:子どもが装置を嫌がる場合どうしたらいいですか?
A:マウスピース矯正など、目立たず痛みの少ない方法を検討できます。
Q4:Ⅰ期治療をしなかった場合、どうなりますか?
A:Ⅰ期治療を行わずに歯並びの問題を放置すると、将来的に歯の叢生(ガタガタした歯並び)や噛み合わせの不具合が深刻化し、より複雑なⅡ期治療が必要になる可能性があります。また、放置することで虫歯や歯周病のリスクが高まり、治療費が増加する可能性もあります。
Q5:Ⅰ期治療は何歳までに始めるべきですか?
A:一般的には6歳から10歳の間に始めるのが理想的です。この時期は顎の成長が活発なため、より効果的な治療が期待できます。
ただし、症例によってはもう少し早く開始することもあるため、定期的な歯科検診を受けることが大切です
まとめ
Ⅰ期治療とⅡ期治療の違いやそれぞれの役割を理解することで、将来的な歯並びの健康維持に向けた第一歩を踏み出すことができます。
「子どもの歯並びが気になる」「将来の矯正費用を抑えたい」とお考えの方は、早めに矯正歯科の専門医へご相談ください。
お子さまの成長に合わせた適切な治療を受けることで、健康な口腔環境を守り、将来的なトラブルを防ぐことができます。
当院のカウンセリングでは、患者様のお悩みによって疑問や不安などに丁寧にお答えいたします。
歯並びは一人一人違うため、インビザラインが気になっている方はぜひ1度お気軽にご相談ください。
当院は和歌山大学前駅から直結、イオンモール和歌山内2階にございます、関西は大阪梅田、岸和田市、京都市、関東には渋谷に分院があります。
当院のマウスピース矯正の症例数は5000症例以上(※1)、年間700症例以上(※2)あり、ブルーダイヤモンドプロバイダーを受賞しております。関西でインビザライン矯正をお探しの方は一度無料相談(相談検査費無料)にお越しください。
※1 2014年~2024年11月時点 ※2 22023年度グループ全体のマウスピース矯正症例数
無料矯正相談の流れ
治療内容
カスタムメイドで制作されたマウスピースを定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて歯並びを整えていく矯正治療です。
標準的な費用(自費)
矯正治療費、相談・検査・診断料 無料、調整料 無料
インビザライン(マウスピース治療)
198,000円〜899,800円(税込)
治療期間及び回数
症状によりますが、一般的に2年前後の治療期間となります。
通院回数は、治療段階によりますが、通常2〜3ヶ月に1回です。
副作用・リスク
装着時間が少ないと治療期間が長引く可能性があります。
他の矯正治療法と同様に、疼痛・歯根吸収・歯肉退縮の可能性や適切な保定をしないと治療後に後戻りすることがあります。
医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項
・インビザライン完成物は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
尚、インビザラインの材料自体は、日本の薬事認証を得ています。
・「インビザライン」は米国アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザリアン・ジャパン社から入手しています。
・日本国内においては、同様の医療機器が薬事認証を得ています。
・インビザライン・システムは、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える患者様が治療を受けています。(2020年10月時点)
2025年1月22日 (水)
カテゴリー : 矯正に関するお悩み